労災保険法の一問一答
業務災害・通勤災害・給付基礎日額・各保険給付
52問 / 法令基準日 令和8年4月1日
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- 療養の給付の範囲には、診察、薬剤又は治療材料の支給、処置・手術その他の治療、居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護に加え、移送も含まれる。
- 業務上の傷病の療養のため所定労働時間の一部についてのみ労働した日について支給される休業補償給付の額は、給付基礎日額からその日に支払われた賃金額を差し引いた残額に100分の60を乗じて得た額となる。
- 休業補償給付に係る3日間の待期は、療養のため労働することができず賃金を受けない日が連続して3日間なければ完成せず、断続した3日間では足りない。
- 同一の業務災害により障害等級第5級に該当する身体障害と第7級に該当する身体障害とが残った場合、障害補償給付は、重い方の第5級を2級繰り上げた第3級に応ずる障害補償年金として支給される。
- 既に身体障害のあった労働者が、業務上の負傷により同一の部位について障害の程度を加重した場合、障害補償給付は、現在の身体障害の該当する障害等級に応ずる額の全額が支給される。
- 労働者が故意の犯罪行為によって負傷したとき、又は正当な理由なく療養についての指示に従わずに傷病の回復を妨げたときは、政府は、保険給付の全部若しくは一部を行わないことができる。
- 保険関係成立届の提出について行政機関から保険手続に関する指導を受けた事業主が、その後10日以内に当該届出をしないでいる間に業務災害が生じた場合、この事業主から徴収される費用の額は、原則として保険給付に要した費用に相当する額の100分の40である。
- 労働者災害補償保険法は労働者を使用する事業を適用事業とするが、国の直営事業及び官公署の事業(労働基準法別表第一に掲げる事業を除く。)については適用されない。
- 派遣労働者に係る労災保険の適用は、派遣先の事業主がその労働者を指揮命令していることから、派遣先の事業について行われる。
- サービス業を主たる事業とする事業主が第1種特別加入をすることができるのは、常時100人以下の労働者を使用する場合であって、かつ労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託しているときに限られる。
- 一人親方その他の自営業者として第2種特別加入の承認を受けた者については、その者が行う事業の種類を問わず、通勤災害に関する保険給付が行われる。
- 療養補償給付たる療養の給付を受けている労働者が、その給付を受ける指定病院等を変更しようとするときは、あらかじめ所轄労働基準監督署長の承認を受けなければならない。
- 労働者災害補償保険法施行規則は、複数事業労働者に類する者を、負傷・疾病・障害又は死亡の原因又は要因となる事由が生じた時点で、事業主を異にする二以上の事業に同時に使用されていた労働者と定めている。
- 脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準では、発症前おおむね3か月間にわたって著しい疲労の蓄積をもたらすほど過重な業務に従事したことが、長期間の過重業務として評価される。
- 脳・心臓疾患の認定基準における長期間の過重業務の労働時間評価では、発症前1か月間におおむね100時間を超える時間外労働が認められるときは、業務と発症との関連性が強いと評価される。
- 脳・心臓疾患の認定基準では、発症前2か月間ないし6か月間にわたり1か月当たりおおむね45時間を超える時間外労働があると認められれば、業務と発症との関連性が強いと評価される。
- 脳・心臓疾患の認定基準は、労働時間以外の負荷要因である勤務時間の不規則性のうち、勤務間インターバルが短い勤務について、長期間の過重業務を判断するに当たり、そのインターバルがおおむね11時間未満となる勤務の有無・時間数・頻度・連続性等を検討して評価するとしている。
- 心理的負荷による精神障害の認定基準の業務による心理的負荷評価表では、顧客や取引先、施設利用者等から治療を要する程度の暴行等の著しい迷惑行為を受けた場合には、その心理的負荷の総合評価は「強」とされる。
- 遺族補償年金の受給権者が婚姻をした場合、その婚姻が届出をしていない事実上の婚姻関係にとどまるときは、受給権は消滅しない。
- 心理的負荷による精神障害の認定基準は、いじめやパワーハラスメントなど反復して行われる出来事については、発病の6か月より前から始まっていたときでも、その開始時点以降のすべての行為を心理的負荷の評価対象とするとしている。
- 労働者の死亡当時に遺族補償年金の受給資格者がいない場合に支給される遺族補償一時金の額は給付基礎日額の1,000日分であり、その受給権者のうち最先順位となるのは配偶者である。
- 既に業務外の事情で発病し治療を要する状態にあった精神障害が悪化したときは、その悪化の前おおむね6か月以内に業務による強い心理的負荷があったと認められる場合でも、「特別な出来事」がなければ悪化部分の業務起因性は認められない。
- 遺族補償年金の受給権者が全員失権し、他に受給資格者もいない場合において、既に支給された遺族補償年金の合計額が給付基礎日額の1,000日分に達していないときは、その差額分が遺族補償一時金として、最後に失権した受給権者に支給される。
- 業務が原因で対象疾病たる精神障害を発病した労働者が、自殺により死亡した場合、その行為は正常な認識や行為選択能力が著しく妨げられた状態でなされたものと推定されるため、労災保険法第12条の2の2第1項にいう故意による死亡には当たらない。
- 労災保険の保険給付を受ける権利の消滅時効は、障害補償給付・遺族補償給付が5年、療養補償給付・休業補償給付・葬祭料・介護補償給付・二次健康診断等給付が2年とされる一方、傷病補償年金は政府の職権により支給決定されるため請求権の時効は問題とならない。
- 業務上の負傷又は疾病の療養のため労働できない日について、休業特別支給金は賃金を受けない日の2日目から支給され、1日当たり休業給付基礎日額の100分の20相当額が支払われる。
- 未支給の保険給付を受けるべき者が同順位で2人以上いる場合には、そのうちの1人がした請求は他の者については効力を生じず、全員がそれぞれ請求しなければならない。
- 昼休みに、勤務先の敷地内にある駐車場で同僚を相手にキャッチボールに興じていた労働者が、飛んできた球を捕り損ねて右手の指を骨折した場合、休憩中も事業主の施設管理下にあることを理由に、この負傷は業務災害と認められる。
- 障害特別年金などのボーナス特別支給金の算定基礎年額は、原則として被災日以前1年間に支払われた特別給与の総額とされるが、その総額が給付基礎年額の100分の20に相当する額を上回るときは、100分の20相当額(150万円を超える場合は150万円)が算定基礎年額となる。
- 労災保険の年金たる保険給付は、毎年2月・5月・8月・11月の4期に分けて、それぞれ支払期月の前月分までが支払われる。
- 会社主催の研修生歓送迎会に、残業をいったん中断して後で職場へ戻る予定だった労働者が上司の意向で途中から加わり、会の終了後に残業を再開するため職場へ向かう途上、上司に代わって研修生を宿舎まで自動車で送る間に交通事故で死亡した場合、この死亡は業務上のものと認められる。
- 中小事業主等として特別加入している者が、業務上の災害で障害等級に該当する障害が残ったときは、定額の障害特別支給金のほか、特別給与を算定基礎とする障害特別年金又は障害特別一時金も支給される。
- 沈没した船舶に現に乗っていた労働者について、その生死が3か月間分からないときは、遺族補償給付及び葬祭料の支給に関する規定の適用上、その船舶が沈没した日に死亡したものと推定される。
- 出張中の労働者が、宿泊先ホテルで夕食を済ませた後に私的に知人と飲酒するため外出し、泥酔して深夜にホテルへ戻る際に階段から転落して負傷した場合、出張の過程全般は事業主の支配下にあるとはいえ、この負傷は業務災害とは認められない。
- 最高裁判所は、労災保険の特別支給金は被災労働者の損害を填補する性質を有するものではないとしており、被災労働者が事業主から同一の事由について民法上の損害賠償を受けた場合でも、政府が特別支給金の支給を調整することはない。
- 労災保険の保険給付を受ける権利は譲渡・担保供与・差押えが禁止されているが、保険給付として支給を受けた金品を標準に租税その他の公課を課すことは差し支えない。
- 休日に、使用者から呼び出されたわけでもないのに、私物を引き取る目的で自分の判断だけで会社へ立ち入った労働者が、社内の階段で足を踏み外して負傷したとしても、事業場の施設内で起きた災害であることを理由に業務災害と認められる。
- 特別支給金の支給に関する決定に不服がある者は、保険給付に関する決定と同じように、労働者災害補償保険審査官へ審査請求をすることが認められている。
- 就業時間中に作業場内で、業務とは無関係の私的な怨恨を抱いていた同僚から突然殴打されて負傷した労働者について、この負傷は業務起因性が認められず、業務災害とはならない。
- 傷病補償年金は、業務上の負傷又は疾病が療養の開始後1年6か月を経過した日において治っておらず、かつ、その障害の程度が傷病等級に該当する場合に支給される。
- 退勤後、通常の通勤経路上にある理髪店に立ち寄って40分ほど散髪をした労働者が、店を出て通常の経路に戻ったあと帰宅する途中で自転車と接触して負傷した場合、この負傷は通勤災害と認められる。
- 傷病補償年金は、支給要件に該当することとなった労働者からの請求を待って、所轄労働基準監督署長が支給決定を行う。
- 共稼ぎの労働者が、出勤の際に2歳の子を保育所に預けるため自宅から保育所を経由して就業の場所へ向かう経路をとり、保育所を出て会社に向かう途中で転倒し負傷した場合、この経路は合理的な経路と認められ、負傷は通勤災害となる。
- 傷病補償年金を受けることとなった労働者に対しては、その支給が行われる間、療養補償給付は行われない。
- 仕事を終えた労働者が、いつもの帰り道から外れた場所にある映画館へ寄り、2時間ほど映画を観てから映画館を出て本来の経路に戻り、その後の帰宅途上で自動車にはねられて負傷した場合、経路へ復帰した後の災害であるから通勤災害と認められる。
- 傷病補償年金は、傷病による障害の程度が厚生労働省令に定める第1級から第3級までの傷病等級に該当するときに支給され、年金額は等級に応じて給付基礎日額の313日分から245日分までとされている。
- 転任によりやむを得ず配偶者と別居して単身赴任している労働者が、金曜日の勤務を終えた当日中に、赴任先住居から配偶者の住む自宅へ合理的な経路及び方法で移動する途中、駅の階段から転落して負傷した場合、この負傷は通勤災害と認められる。
- 業務上の負傷について療養を開始した日から3年を経過した日に傷病補償年金を受給している労働者を解雇するには、使用者が労働基準法第81条の打切補償を現実に支払うことが必要であり、これを支払わなければ同法第19条第1項の解雇制限は解かれない。
- 退勤途中の労働者が、業務と無関係の持病を治療するため通常の通勤経路を外れた病院に立ち寄って診察を受け、その病院を出て通常の経路に戻る前の路上で自動車にはねられて負傷した場合、病院への立寄りは日常生活上必要な行為であるから、この負傷は通勤災害と認められる。
- 遺族補償年金の受給資格者となるのは、労働者の死亡当時その収入によって生計を維持していた配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹であるが、このうち妻には年齢や障害の状態に関する要件は課されていない。