問題ID: a11-0022
甲建物が二重に売却され、引渡しを受けて占有している第一の買主が、先に所有権移転登記を備えた第二の買主から明渡しを求められた場合、第一の買主は、売主に対する損害賠償請求権を理由として甲建物を留置することができる。
この肢は誤り
解説
民法295条1項の留置権は、占有する物に関して生じた債権について認められる。判例は、二重に売却された不動産の第一の買主が売主に対して有する履行不能による損害賠償請求権は、目的物そのものに関して生じた債権とはいえず牽連性を欠くとして、これを被担保債権とする留置権の成立を否定している。したがって第一の買主は、登記を備えた第二の買主からの明渡請求を留置権によって拒むことはできない。
根拠条文
民法295条1項
出題傾向
H25問4肢2、R07問4肢2(過去19回で2肢)